よみもの4

新たな世界への挑戦
~美冨久酒造の酒造りの進化~

純米大吟醸 昇天神

美冨久究極の純米大吟醸酒「昇天神」は、創業時からの伝統を受け継ぎながら、創業100年の新たなスタートを象徴する特別な日本酒だ。純米大吟醸ならではの吟醸香が上品に広がり、爽やかな味わいと風味が楽しめ、米の旨味とふくらみがゆっくりと感じられ、キレのある味わいが特徴的で、五感を刺激する非常に上質な日本酒と言える。

伝統と革新の融合

美冨久酒造(みふくしゅぞう)は1917年(大正6年)創業。滋賀県の南東部にある甲賀市水口町。かつて、東海道五十三次50番目の宿場町「水口宿」のあった地に蔵を構える。

滋賀県と三重県の県境に位置する鈴鹿山脈の豊かな伏流水の恩恵を受け、昔から酒造りが非常に盛んな地域。現在も多数の蔵元があり、伝統を受け継ぎながらも現代の技術と創造性を融合させた酒造りを展開。蔵同士の交流も精力的に行われ、日本酒で地域を盛り上げる活動もされている。

同蔵では、昔ながらの天然醸造法で自然界に存在する乳酸菌を活用した「山廃仕込」、そして、現代技術を結集した「吟醸仕込」を融合させた独自の酒造りを展開されている。

挑戦の先に広がる新たな世界

かつては、山廃仕込での商品が多く、同蔵の商品といえば「山廃酒」と言われる方が多かったそうだ。

社長である藤居範行氏は、大学卒業後に岐阜県内の酒蔵で修行をされ、2005年生家である美冨久酒造に戻られた。
「より美冨久酒造の美味しさを知ってほしい」
「より多くの方に蔵を知ってもらい、山廃酒の魅力も知ってほしい」
その想いで新たな酒造方法を検討される。

転機は2007年。高齢だった能登杜氏から引き継いだ新杜氏より「吟醸仕込」での酒造りをスタート。現在の杜氏は、永年蔵人として同蔵を支えている峠利彦杜氏。先代杜氏の技術や伝統を受け継ぎながら、新たなアイデアや技術を取り入れ、多様な酒質と銘柄を展開されている。

100年を超える酒造りの神髄

2017年、創業100年の節目を迎えるにあたり、次の100年に向けて新たな展開を図るべく、特別な酒「昇天神」を造った。今までの酒造りの技術を結集し、五感を刺激する至極の日本酒を作り上げることを目指したと藤居氏は語る。

一口飲むと天空に舞い上がるような感覚と神々の領域にまで届くような美味しさのお酒を目指したのが「昇天神」の名前の由来だ。

長年の技術と経験が集約された結晶とも言える。蔵人たちは、酒造りを追求し、独自の製法を確立。厳選された材料と熟練の職人たちの手によって、独特な味わいと深みが生み出されている。歴史と伝統を背景にしながら、常に進化し続けることで、未来に向けた展開を果たしていく。

昇天神の魅力は、ただ美味しいお酒を提供するだけではない。
その背後には、美冨久酒造の情熱と信念が息づいている。時を超えて受け継がれる酒造りの真髄を感じながら、昇天神の一杯を傾けることは、まさに特別な体験となり、大切な節目や特別な日にふさわしい、至極の日本酒として楽しむことができるだろう。

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