よみもの7

地元と共に歩む彦根麦酒

彦根麦酒

クラフトビールの文化がほとんど浸透していない地で、地域・大学・企業が手を携え、地元の方々に知ってもらい、そして愛されることを目指す。色んな想いから醸される彦根麦酒の物語。

自然との調和で彩る~彦根麦酒の新たな旅~

「彦根麦酒 荒神山醸造所」は2021年5月滋賀県彦根市石寺町の荒神山の西麓に産声をあげたクラフトビール醸造所。琵琶湖にほど近く、周辺に遮るものがなく広い空が見渡せる抜群のロケーションだ。

醸造所がある地域は広大な「非農用地」が多くあり、長い年月放置されていたが、この土地活用をめぐって、2017年頃立ち上がった。地元の集落・大学・企業が手を携え「自然環境と調和した事業プロジェクト」がスタート。

石寺町の土地の有効活用について滋賀県立大学の鵜飼准教授(当時)から小麦などの農作物も作れる地域でもあることから、ブルワリーを建設する提案があり、この地域をどのように活性化させ、まちづくりを推進していくかを考え、観光客向けに食やクラフトビールの必要性について持続可能な環境にやさしいビジネスを立ち上げた。

荒神山からの景色①

荒神山からの景色②

環境と地域への貢献「資源循環型ブルワリー」

醸造所の建物は、滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科の白井教授(当時)を中心とした設計チームにより建築され、荒神山周辺の景観に溶け込む木造平屋建、壁面には琵琶湖の葦(ヨシ)を使用している。建物内の大きな窓から見える広い空も醸造所に訪れて見て欲しいポイントだ。
また、建物内に琵琶湖からの風を取り込むように設計された換気システムなど、環境に配慮され、空間デザインの価値を未来につなぐために設立された日本最大級のデザインアワード「日本空間デザイン賞2021」で「サステナブル空間賞」を受賞。

この醸造所は「資源循環型ブルワリー」と呼ばれ、醸造工程から生じる麦芽粕を廃棄せずに、お菓子の材料として使用したり、畜産の餌や農地の肥料としても再活用し、廃棄物の削減が実現した。さらに水の節約にも注力され、ビール製造における水の使用量を最小限におさえ、水資源を保護している。

こうしたアプローチは、SDGsに合致し、環境への負担を軽減し、地元社会の貢献となる。
地域経済の活性化と環境保護が同時に進む良い例であり、このような「資源循環型ブルワリー」は、醸造業界における新たな基準として、持続可能性を追求する素晴らしい取り組みである。

琵琶湖側から見た彦根麦酒荒神山醸造所

夜のライトアップ

雄大な醸造所の景色

彦根から広がる魅力的なクラフトビールの物語

株式会社彦根麦酒取締役で醸造責任者の小島なぎささんは、プロジェクトが始まった当時、石寺町のまちづくり活動に従事していたが、地元での新たな産業創出への思いが高じて醸造者に志願され、一からビール造りを学ぶため、関西圏の2つのブルワリーでクラフトビール造りを学び醸造責任者へと見事に転身された。

「自身も含め、ビール製造の経験者がいない中で、ゼロから醸造所を立ち上げた事はとても苦労したとお聞きしました。小島さんは元々ビール好きですが、“好きなこと”と“造ること”は全く違うことなので、ビール造りに取り組む姿勢を側でみていて、とても尊敬しています。」と彦根麦酒営業ディレクター兼ブルワーの豊村美久さんは言う。

左:豊村美久さん・右:小島なぎささん

醸造所が完成した2021年4月に「PALE ALE(ペールエール)※1」と「ISHIDERA WEIZEN(イシデラヴァイツェン) ※2」を初仕込。
同年5月2日に醸造所に大自然の中でクラフトビールが味わえる直売所を併設し、グランドオープンとなった。
※1ペールエールは着色が抑えられたモルトを原料として造られた上面発酵のエールタイプのクラフトビール。イギリス発祥で、「ペール」は「淡い」という意味。
※2 ドイツを代表する白ビール「ヴァイツェン」。ドイツ語で「小麦」のこと。多くのビールでは原材料として大麦麦芽を使用するが、ヴァイツェンはその名の通り、小麦麦芽を50%以上使用している。

オープン時から販売している、「ISHIDERA WEIZEN(イシデラヴァイツェン)」は地元石寺町産の小麦を使ったビール。地名が入っていることから、地元の方にも親しまれ、苦味が少なく飲みやすさを意識して造られている。ヴァイツェンは苦味を抑えたスタイルのビールで、今までビールが苦手だった方も「ISHIDERA WEIZEN」がきっかけでビールが飲めるようになったという声もあるほどの人気商品だ。

彦根麦酒の商品ラベルはカラフルなグラデーションが特徴。カラーはビールの味、そして醸造所から見える空の色をイメージしている。おしゃれでギフトとしても人気だ。

醸造所で飲める彦根麦酒

ISHIDERA WEIZENのラベルを想わせる空

カラフルなラベルの商品

彦根麦酒は、未来に向けてワクワクする挑戦を続けている。地元で作られた「麦、ホップ、天然酵母、そして清らかな水」を活用し、彦根産原料100%で「ALL HIKONE BEER」を創り上げることを目指している。これは、クラフトビール造りの新たな冒険であり、地元との一体感を追求する情熱の結晶で、未来に向けてワクワクしながら、クラフトビールの世界に新たな一歩を踏み出そうとしている。

彦根産のホップ①

彦根産のホップ②

彦根産の麦①

彦根産の麦②

彦根産の麦畑

彦根産の麦の収穫

彦根麦酒 定番飲み比べ3本セット

【PALE ALE】
柑橘を思わせるホップが香り、モルトの風味と苦味のバランスがとれたすっきりと飲める定番スタイル。
【ISHIDERA WEIZEN】
地元の小麦を使った、ほんのりとした酸味とモルトの風味が心地良いスタイル。
【PORTER】
苦味とクセを抑えた、ごくごくと飲みやすいアイリッシュスタイル。「井伊の赤備え」をイメージ。
※彦根藩主・井伊家が武具を赤色で揃えたことから、「井伊の赤備え」と呼ばれる。
2022年「ジャパン・グレートビア・アワーズ」金賞受賞。
2022年「インターナショナルビアカップ」銅賞受賞。

彦根麦酒3本セット

彦根麦酒 定番飲み比べ6本セット

【PALE ALE】
柑橘を思わせるホップが香り、モルトの風味と苦味のバランスがとれたすっきりと飲める定番スタイル。
【ISHIDERA WEIZEN】
地元の小麦を使った、ほんのりとした酸味とモルトの風味が心地良いスタイル。
【PORTER】
苦味とクセを抑えた、ごくごくと飲みやすいアイリッシュスタイル。「井伊の赤備え」をイメージ。
※彦根藩主・井伊家が武具を赤色で揃えたことから、「井伊の赤備え」と呼ばれる。
2022年「ジャパン・グレートビア・アワーズ」金賞受賞。
2022年「インターナショナルビアカップ」銅賞受賞。
【RED ALE】
軽やかな飲み口のダークブラウンカラー。甘いチョコやクリームチーズとのペアリングがおすすめ。
【AOZORA IPA】
華やかなホップのかおりと麦芽の風味が広がる、キリッとした苦味のあるスタイル。
【ひこにゃんエール】
ふんわり甘味のある優しいIPA。地元の大麦と小麦を使用しています。

彦根麦酒6本セット

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