よみもの12

桑酒(くわざけ)
~心を酔わせる宝酒~

山路酒造

日本のお酒といえば、日本酒や焼酎が有名ですが、桑酒(くわざけ)をご存知ですか?桑酒は、桑の葉を用いて造られるリキュールで、その甘美な味わいと歴史的な背景から注目を集めています。滋賀県で歴史のある山路酒造が生み出す桑酒の世界に足を踏み入れ、新たな味覚の発見に心躍らせませんか?

桑酒(くわざけ)
~古き良き日本の味覚を再発見~

現在日本で唯一、桑酒(くわざけ)を造っている山路酒造は、1532年に創業。滋賀県では最古を誇り、日本国内では4〜5番目(諸説あり)に歴史のある酒蔵だ。山路酒造は490年以上にわたり、北国街道沿いに懐かしい家並みと人情味あふれる雰囲気の中で酒造りを営んでいる。

昭和3年以前の山路酒造

現在の山路酒造

山路酒造有限会社 山路祐子氏から、桑酒についての貴重なお話を聞かせていただいた。桑酒は桑の葉を用いて作られるリキュールであり、その歴史は490年以上も前に遡る。山路酒造の祖先が「後園の桑を用いて酒を造れ」という夢のお告げを受け、酒を醸造した結果、甘く香ばしいお酒が誕生したと伝えられ、これまで人々に愛されてきた。かつてこの地域は養蚕が盛んであり、蚕が桑の葉を食べて絹糸を生産する産業が栄えていたことが背景にある。その中で、桑を使用した酒造りの文化が芽生え、桑酒が誕生した。

山路酒造 山路祐子氏

桑酒(くわざけ)の秘密
~自然な甘みと風味の源~

桑酒の甘みは、お砂糖や甘味料を使わず、麹による糖化作用によってもち米が自然に甘みを帯びることで生まれる。伝統的なみりん製法※で造られた純米本みりんと桑の葉のエキスの融合で、独自の味わいとなる。
※原料に上質なもち米を使用し、仕込み後のみりんもろみを長期糖化熟成する伝統的な製法。

古代日本では、甘いものが手に入りにくかった時代背景もあり、桑酒のような自然な甘みが人々にとって大変好まれたことが想像される。また、文豪・島崎藤村が愛飲したことで知られるなど、歴史的背景からも桑酒の価値と魅力が際立つ。

仕込み風景

桑酒は原材料にこだわり、純米本みりんには滋賀県産の高品質なもち米を主に使用し、桑の葉は、無農薬の桑の木を作っておられる「永源寺マルベリー」のものを使用。かつては桑の根も使用していたが、法律の変更や薬事法の制定により、現在では桑の葉のみが使用されている。また、桂皮(けいひ)や五加皮(ごかひ)などの生薬を加えることで、より自然な甘みと独特の風味を楽しめる工夫がされている。
そして、桑の葉には血圧を下げたり、血糖値を抑えたりする健康に良い効果が期待できることも魅力のひとつだ。

夏も冬も楽しむ桑酒(くわざけ)の
多彩な魅力と楽しみ方

エレガントな香りと甘美な味わいが、心を虜にする。夜の静かな時間に、氷の入ったグラスに注がれる桑酒を手にすると、まるで幸せな特別なひとときが始まるような気がする。
一口飲めば、心地よい甘さが口いっぱいに広がり、幸福感が満ちてくる。食事と一緒に楽しんでも良し、静かな夜に一人で味わってもいい。どんな瞬間でも、桑酒は心を満たしてくれる。

蔵元おすすめのアレンジはモヒート!若い世代から大人まで、幅広い人々に愛されること間違いなし。夏の暑い日には冷やして、スッキリとした一杯を楽しんだり、寒い夜にはお湯割りで身も心も温まったり。燗酒のようにほんのり温めて、優雅なひとときを過ごすのも素敵だろう。

桑酒のモヒート

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