よみもの17

「近江国 天下きくらげ」の衝撃
~一年中楽しめる、栄養満点のキノコの革新~

株式会社スマイディア

事業多角化の決断
~株式会社スマイディアのきくらげへの挑戦~

株式会社スマイディア代表取締役社長、石光堅太郎氏がきくらげ事業を始めた背景には、会社の安定化を図るという強い思いがあった。本業である印刷業は、デジタル化が進み印刷物が減少していく流れで、不安定さを抱えており、コロナ禍でその不安が現実のものとなった。石光氏は「お客様の事業が停滞すれば印刷物も減り、反対に状況が良ければ増える。自分たちの力だけでは事業の安定性を保つのは難しいと痛感した」と語る。

株式会社スマイディア 代表取締役社長 石光堅太郎氏

コロナ禍になる前、新規事業について構想を練っていた時、偶然視聴したテレビ番組で異業種に挑戦しているさまざまな企業が紹介されており、その中でキノコの製造販売を行っている企業が目に飛び込んできた。
これが後にきくらげ栽培を始めるきっかけとなった。
今後、印刷事業を縮小しなくてはならなくなった場合でも従業員の雇用を維持することを考え、新規事業では「既存事業とはまったく異なる市場」「長く続けられる事業」の2つの内容を主軸に置いていた。
また、景気による変化を受けにくい「衣食住」に関わる事業が良いのではないかと考えていた。
すぐに主催者の方に連絡を取り、キノコの栽培事業について相談や話を進めていく中で、近年市場が広がりつつある「きくらげ」栽培の提案を受け、きくらげ事業に挑戦することを決意したのだ。

収穫したての「近江国 天下きくらげ」

株式会社スマイディア 栗東本社

株式会社スマイディア 水口工場

工場の知恵が生んだ新事業
~きくらげの可能性と健康市場へのアプローチ~

きくらげが本来屋外で栽培できるものであることを認識しつつ、印刷工場の跡地を活用して屋内での栽培を選択した。その理由は、屋外での栽培は天候や季節による影響を受けるため、ビジネスとしての安定性を確保するのが難しいからだ。「屋内で栽培することで、一定の収穫量を見込むことができ、売上の予測が立てやすくなる。温度や湿度の管理という点で、印刷業で培ったノウハウが役立った」と振り返る。
印刷業では、製品の品質を保つために、湿度と温度の管理が極めて重要であり、工場内の環境を厳密に制御してきた。その経験が、きくらげ栽培においても活用された。特に、きくらげは湿度や温度に敏感な作物であり、最適な環境を維持することが収穫に直結する。印刷工場での経験を生かし、環境制御技術を駆使して、屋内栽培における安定した収穫を実現したのである。このように、印刷業で培った環境管理のノウハウは、きくらげ事業の成功に大いに貢献している。

アグリ事業部担当 小西さん

きくらげができるまで

とはいえ、印刷物と農作物では管理レベルのシビアさが異なる。印刷物の場合、環境の変化に対応するためには技術者が調整を加えることで済むが、農作物は生き物であるため、環境が変わればすぐに反応する。「植物の成長には、環境の変化を細かく監視し、即座に対応する必要がある。水の量や湿度の調整は一瞬で結果を変えるわけではないので、常に状況を見守る必要がある」と、農業の難しさを実感している。

それでも、工場での厳しい環境管理に対応してきた社員たちは、新しい事業に取り組む際も柔軟に対応できる力を持っていた。そのため、「うちの会社にはこの事業がフィットしていた」と石光氏は言う。事実、きくらげ栽培を始めてから、品質とクオリティの高さが評価され、県内でも注目される存在となっている。

きくらげファーム内

天下きくらげ栽培の様子①

天下きくらげ栽培の様子②

次に、きくらげ事業のターゲット市場について、健康志向の高まりを背景に「美容や健康を意識する人々に最適な商品だ」と考えている。きくらげは低カロリーで栄養価が高く、特に美容や健康に気を使う人々にとって理想的な食材であるため、今後は健康志向の消費者層をターゲットに広めていきたいと話す。「安価で品質の低いものではなく、栄養価の高い食材を求める時代に合った商品だ」と自信を持つ。今後、健康意識の高い消費者に広くアプローチしていくことを目指している。

近江国 天下きくらげ

近江国 天下きくらげの特徴

栄養満点きのこの王様

きくらげの栄養比較

生きくらげの保存方法

季節を問わない美味しさ!
~「天下きくらげ」を試してみたくなる理由~

スマイディアの「天下きくらげ」は、季節を問わずいつでも新鮮で高品質なきくらげをお届け。一般的には6月から9月が旬とされるきくらげだが、「天下きくらげ」の工場では、印刷会社で培った温度と湿度を徹底してコントロールすることで、キノコにとって最適な環境を再現し、年間を通じて安定的に美味しいきくらげを栽培している。

「天下きくらげ」の最大の魅力は、その驚きの食感だ。フードフェスに出店した際に、「茹でて切った生きくらげを食べていただくと、みずみずしさと歯ごたえに感動されていた」と接客された担当者はイベントを振り返る。

きくらげの刺し身

フードフェス出店

天下きくらげのキャラクターぷり丸

フードフェスの会場

IMASHIGAでも試食させていただいたが、肉厚な「天下きくらげ」のアヒージョは、そのジューシーさと独特の食感に衝撃を受けた!ひと口食べるごとに広がる豊かな風味に驚きと感動が止まらなかった。しかも身体にいい。

天下きくらげのアヒージョ

きくらげチップス

きくらげの野菜炒め

きくらげカレー仕込み中

きくらげカレー

最後に、石光氏に読者に一番伝えたいことは何かをきいてみた。
「生のきくらげは、馴染みがない方が多いと思いますが、ぜひ一度試していただきたいです。食べてみると、食感の良さや美味しさに驚かれるはずです。また、栄養価が高く、健康にも良い効果をもたらすので、継続的に食べていただけると嬉しいです。」

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