よみもの18

シンプルだからこそ極立つ
伊吹ハムの美味しさ

有限会社伊吹ハム

滋賀県米原市、伊吹山の麓に工房を構える伊吹ハム。1992年のオープン以来、地元の自然に寄り添いながら、伝統の技で丁寧にハムを作り続けている。職人が選び抜いた素材を使い、シンプルな製法で仕上げ、素材本来の旨みを引き出すことにこだわる。自然の恵みと職人の技が生み出す、滋味深い味わい。噛むほどに広がる風味の奥に、土地の風土と手仕事の温もりが息づく。

伊吹ハム店舗

伊吹山風景

変わらぬ信念が生む唯一無二の味

ルーツは、もともと商売目的ではなかった。農学博士であり地域でも知られた人物が、自分と家族のために安全で美味しいハムを作っていたのが始まりだ。そのハムを知人に分けていたところ、先代が「商品化すべきだ」と考え、博士に働きかけたことが、誕生のきっかけになったと有限会社伊吹ハム 高木卓宏氏は語る。

伊吹ハムカット1

伊吹ハムカット2

伊吹ハムには、博士が家族の健康を守るために積み重ねた知識と経験が詰まっている。家族のために作るものだから、余計なものは一切加えない。そのこだわりが、今の製法の根幹となっている。
時代の変化に合わせて、設備の改良や工程の効率化は進んでいるが、味や品質の決め手となる調味料や製法は一切変えていない。家族のために生み出した安心で安全なレシピだからこそ、創業当初から変わらぬこだわりを大切にしながら、これからも多くの人にその魅力を届けていく。

手間ひまかけて引き出す肉本来の旨味

一般的なロースハムは、調味液を肉に注入して膨らませ、ふっくらと仕上げる。しかし、伊吹ハムでは調味液を打ち込まず、塩水にじっくり漬け込むことで自然に味を染み込ませている。熟成には最低7日、長ければ10日以上かかる。その間に塩や砂糖、ハーブが肉と反応し、旨味を深めていく。だからこそ、肉本来の食感と味わいが生きたハムができあがる。

ハムをカットしている様子

ベーコン作りにも一切の妥協はない。通常の製造では調味液を注入し、加熱処理で仕上げるが、伊吹ハムでは塩やスパイスをすり込んで余分な水分を抜き、旨味を凝縮させる。一般的なベーコンが1キロの肉から1.4〜1.7キロに膨らむのに対し、伊吹ハムのベーコンはしっかり水分を抜くため、750〜800グラムにまで目減りする。これが、濃厚な味わいの秘密だ。
熟成期間は最低1ヶ月。じっくり塩漬けすることで、肉の水分が抜け、油分やタンパク質がゆっくり分解され、旨味が増していく。この時間を惜しまずにかけることで、その濃厚な味わいを実現している。

ベーコンをカットしている様子

豚肉の選定にもこだわり、品質を安定させるため、信頼できる肉のプロフェッショナルから原料を調達。そこに伊吹ハムならではの調味料と製法を組み合わせることで、唯一無二の味が生まれるわけだ。

人気商品「山椒ソーセージ」
爽やかな香りとクセになる味わい

伊吹ハムの山椒ソーセージは、爽やかな香りと程よい辛みが特徴の逸品だ。表面のワックスを軽く落とした後、肉と一緒に練り込まれる。茹でると山椒の鮮やかな緑が色濃く残り、噛むたびに広がる香りと、ほのかなシビれがクセになる。使用している山椒は、伊吹山の自然の中で自生する希少なもので、他にはない特別な味わいを持つ。

貴重な山椒の実

この山椒は手間ひまかけて収穫されるため、その希少性がさらに価値を高めている。毎年、近隣の方々が収穫時期になると「今年も持ってきたよ」と山椒の実を持参し、それを手作業で一粒一粒丁寧に小枝などの不純物を取り除き、商品に使用している。
収穫時期は5月中旬~下旬頃で、年間10日間ほどの限られた期間にしか収穫できない。柔らかく香りが強い時期のものだけを使用することで、特有の爽やかな香りと穏やかな辛みを実現している。

伊吹山で採れた手間暇かけた山椒と、時間をかけて作られるソーセージ。その深い味わいを一度試してみる価値がある。

山椒ソーセージ

安心・安全なジビエ料理で
食料供給の未来を支える

伊吹ハムでは、捕獲された鹿肉を使ってウインナーやフランクフルトを作っている。鹿肉は、ロースやもも肉以外は市場価値が低く、これまではペットフードとして処理されていたが、それらをミンチにして腸詰めにし、硬さを解消して美味しく仕上げている。ジビエ肉は調理が難しいが、安全な加熱と熟成技術を駆使し、臭みをなくして旨味に変えることで、誰でも楽しめる鹿肉ソーセージを提供している。
また、円安や輸入肉不足が問題となる中で、国内の安定した食料供給を目指し、ジビエ活用のプロジェクトを進め、フードロスを減らすことを目指している。これにより、資源の無駄を減らし、SDGsにも貢献している。

ソーセージ製造の様子

IMASHIGAでも一押しの山椒ソーセージをそのまま試食してみた。
一口食べると、まずその鮮やかな香りが広がり、深い味わいが舌の上に広がる。伊吹山の自然の中で育まれた山椒の香りは、他では味わえない特別なもの。程よい辛みが口の中で踊り、後味はスッと爽やかに消えていく。食べ進めると、その深い旨味と山椒の繊細な香りが相まって、まるで山の恵みをそのまま口にしたかのような感覚になります。
しっとりとした食感で、ジューシーな肉の味わいに山椒が絶妙に絡み合い、食べる度に新しい風味を楽しめます。辛過ぎることなく、子どもでも楽しめるバランスの良さ。ビールやワインのお供にもぴったりで、食卓を華やかにしてくれる一品。

山椒ソーセージ

山椒ソーセージカット盛付

大量生産ではなく、素材のポテンシャルを最大限に引き出すことを追求する伊吹ハム。手間と時間を惜しまないからこそ、食べた瞬間に違いがわかる。シンプルながら奥深い、素材の旨味が凝縮されたハムをはじめ、山椒ソーセージやベーコンをぜひ味わってほしい。

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