よみもの20

「おいしさ」と「安心」を
両立する無農薬茶づくり

「朝宮茶」かたぎ古香園

滋賀県・琵琶湖の南、信楽盆地に広がる朝宮(あさみや)は、日本五大銘茶のひとつに数えられる、1200年の歴史を持つ茶産地。
この地で「かたぎ古香園」は、昭和50年から農薬を一切使わずにお茶を育て続けています。
自然と向き合いながら、心から安心して飲めるお茶を届けたい——
そんな思いで畑に立ち続ける七代目・片木隆友(かたぎ たかとも)さんにお話を伺いました。

朝宮茶とは

── 朝宮茶とは?
805年から続く歴史ある土地で、伝統的な手法で育てられたお茶です。
標高300〜500メートルの高地で、寒暖差が激しい信楽の気候は、お茶の葉に適度なストレスを与えます。これが香りや旨味の深みに繋がります。

七代目・片木隆友(かたぎ たかとも)さん

ASAMIYA TEA

信楽町朝宮

日本五大銘茶

完全無農薬の栽培を始めたきっかけ

── 完全無農薬の栽培を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
もともと私たちの農園では、農薬を使ってお茶を育てていました。納品先は京都の宇治茶を扱うお茶屋さんで、「綺麗で美味しいお茶を」と求められ、それに応えるように農薬を使っていました。
けれども、「朝宮」という地名は表に出ず、自分たちの茶が誰にどう届いているのかが見えなかったんです。そこで祖父と父が「小売」を始め、お客様と直接やり取りするようになると、農薬を使ったお茶を赤ちゃんからお年寄りまでが飲むという現実に向き合うことになりました。
それが「このままではいけない」と感じる大きなきっかけとなり、父が完全無農薬・無化学肥料の栽培に踏み切ったのが今から50年前。それから一度も農薬を使わずに栽培を続けています。

── 代々受け継がれている中で、大切にしている教えは?
代々受け継いでいる中で、一番大切にしているのは「お客様に心配させるようなことを絶対にしない」こと。例えば「今年はちょっと調子が悪いから農薬使おうか」なんて、一線を越えるようなことは絶対にしない。
安心して飲んでもらえるように、積み重ねた信頼を壊さない。それが私たちの守っている教えです。

朝宮茶

製法について

── 製法について教えてください。
収穫したらすぐに蒸して、酸化を止めます。その後、何段階にも分けて乾燥し、葉っぱの形を整えていきます。これが「普通蒸し」の製法です。関西は寒いので、蒸し時間が短いのが特徴です。

茶摘み

収穫

新茶

── 茶葉の収穫サイクルを教えてください。
年に2回、新芽の収穫を行います(5月と7月頃)。その後は秋の番茶(10月)、春の番茶(3月)というサイクルです。新芽が伸びてまた出てくるという、まさに生きた茶の木との対話ですね。

新茶の葉

── 肥料には何を使われていますか?
肥料として使っているのは、菜種油やゴマの油を絞ったあとの「油カス」。それも、化学的なものではなく、昔ながらの圧搾製法で作られたものだけです。動物性の肥料は一切使っておらず、完全な植物性ですので、菜食の方でも安心してお飲みいただけます。

── 害虫対策などはされていますか?
ほとんどしていません。畑自体が自然に近い状態なので、虫がいても自然にバランスが取れています。収穫の時は機械の音で虫たちも逃げていきますしね。

── 手間がかかる点は?
収量は一般的な畑より2割ほど少ないです。大変なのは草引きですね。やはり除草剤を使わないため、草引きは毎日欠かせません。草を放っておくと茶の味にも影響するので、手間はかかりますが一つひとつ丁寧に抜いています。
収穫期以外は、畝(うね:畑に物を植えるため、幾筋も土を盛りあげた所)の間を一日中歩きながら草を引き続ける日々。夏の暑い日は朝夕の作業に分け、体調にも気をつけています。

── 手間をかけることを惜しまないのは何故ですか?
結局、「好きじゃないと続けられない」ですね。子供の頃は遊びに行く感覚で畑に通っていましたが、本格的に始めたのは20代半ば。自分の意思で選びました。

茶畑①

茶畑②

おすすめ商品

── 一番苦労されていることは?
お茶の味を知ってもらうことが一番難しいです。パッケージだけだと差がわからないし、言葉ではなかなか伝わらない。だからこそ、どんな風に知ってもらい、ファンになってもらうかが一番の課題。こればかりは今でも続いている苦労です。

── 味と安心の両立は難しいですか?
確かに難しい部分もあります。でも、「香りと自然な味わい」が僕の思う「おいしいお茶」。舌にいつまでも残るような甘味は好きじゃなくて、すっと抜けるような香りと自然な旨味が大切です。

── おすすめ商品は?
一番茶を使ったほうじ茶です。芯からふっくらする製法で作っていて、そのまま食べることもできます。香りが良くて、料理やお菓子にも使えます。
特に「ほうじ茶入り麦茶ティーバッグ」はうちが元祖です。麦茶は体を冷やしますが、ほうじ茶を入れることでバランスが取れて冷え性の方にもおすすめです。

ほうじ茶入麦茶ティーバッグ

かたぎ古香園からのメッセージ

── 最後にこれだけは伝えておきたいことはありますか?
とにかく「応援してください」という気持ちです。手間ひまかけて、皆様のことを思いながら、心を込めてお茶を作っています。だからこそ、安心して飲んでもらえるし、おいしさにも自信があります。私たちの頑張りを、ぜひ応援していただけたら嬉しいです。

ASAMIYA TEA

美味しいお茶の淹れ方

IMASHIGAからのメッセージ

~IMASHIGAからのメッセージ~
「安心」と「おいしさ」を両立する、朝宮の大地と人の手から生まれた無農薬茶。
自然と向き合い、手間ひまを惜しまず、まっすぐにお茶と向き合う「かたぎ古香園」のお茶は、毎日の食卓にそっと寄り添う、心ほどける一杯です。
大切な人と飲みたい、日々を少しだけ丁寧にしてくれるお茶を、この滋賀・朝宮から、あなたの暮らしへ。

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